まだまだ暑い。
過酷な暑さが続くと読書や映画を見る気持ちになかなかならない。
両方とも大好きなことなのにクーラーをつけた涼しい室内にいてもなぜか気分が乗らない。
火を使う作業はなおさらやる気がおきない。
7月8月の私は”非生産的”だった。
世の中では生産的であることが良い、
という価値観にもとずいた会話が当たり前のように交わされる。
私もそう思っていたし、今もまだその考え、価値観が染み付いてしまっている。
目に見えない成果を並べられないと生産が十分でない機械のように自分を捉えるところ。
生産し続け、結果を残すことが全て?
私は向上心のある人が好きだ。向上心は魅力的だ。
目に見える成果、結果を出す人の努力は尊いと思う。
でもなんだか
頑張れば、努力すれば、そんな自分を他人が認めてくれさえすれば良いってものではない気がする。
狂った歯車のように、表面的な成長/変化を望み続けるのは、現代の流行り病か。
もっともっと良く
もっと充実させて
もっときれいに、かわいく
もっと成功しなきゃ
よく見られたい。
向上することが良いとみなされるから、向上する努力をするの?
偉い人だという理由で、人を敬うように。
決められたルールだから、守るように。
しっかりとかみあった歯車たちは、たった一つの回転から多数の回転を生み出す。
不可避の回転を続ける歯車の塊は、不気味に稼働し続ける一つの大きな機械。
私は自分という歯車が忙しく動いている機械の内部で
ポツンと一人はじかれ、
いつか全体のエラーにつながる危険をはらんだ静寂をたたえている様を想像する。