フランスのサントル(Centre-Val de Loire)という地方にある街で、墓地を散歩したある日のこと。
砂利の敷かれた墓地を、杖をつきながらゆっくり端から端まで歩いていると
敷地内の一番奥にいくつもの小さなお墓と
自然の草花がランダムに咲いている一角にたどり着きました。
墓石に刻まれた年代から、全て子供のお墓のようでした。
蔦の這い上がった十字架や 苔の生えた石の土台
かなり古いお墓に供えられている生き生きとしたブーケや
天使やマリア様のおきものがぽつんぽつんと目に留まります。
するとこんな看板が。
「ゼロ テスト
ゼロ 農薬
このゾーンで農薬を使わない土地の管理方法を実験しています」
この看板によると、フランスでは “La loi Labée” (ラベの法律) によって、
2017年からパブリックスペースでの農薬の使用は禁止されたとのこと。
調べたところ、法律の制定に携わった上院議員のJoël Labbé さんの名前に由来してラベの法律
と呼ばれていますが、正式には ”LOI n° 2014-110 “という項目を指します。
この法律が制定されたのは2014年で、
緑のあるスペース、森、散歩道、交通路、等での
公的な組織による農薬の使用禁止が2017年から施行されたそうです。
農薬を使用していないので、自然の草花が茂っていますね〜
シロツメグサのような白い花がこの辺一帯を覆っていました。
除草剤などの薬剤で雑草が生えるのを予防したり、
手入れの手間を省くために用いることは日本ではまだ多くの人に受け入れられていますね。
手間を省くという点で便利で効果的な薬剤ですが、
自然環境やそこに棲んでいる生物、
さらに自分たち、人間の健康への悪影響も考えなくてはならないと思います。
それに、科学的な薬剤を撒かずに地面をできる限り自然な状態に保つことで生まれる
人工的には作れないお花畑のような景観はとても居心地の良いものだと思います。
その土地に自生する草花、気候、土が作用して生まれる景色、
もっといろいろな場所で、あるといいな〜
>法律の詳しい情報はこちら https://draaf.grand-est.agriculture.gouv.fr/loi-labbe-r463.html